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参考文献「ヒグマ 北海道の自然」(北海道新聞社)
ヒグマの身体
■オス 頭胴長1.9〜2.3m 体重120〜250キロ 最大級2.4m、400キロ
■メス 頭胴長1.8〜1.9m 体重 80〜150キロ 最大級1.9m、160キロ
本州のツキノワグマと比べれば体長2倍、体重は2.5倍余り、やっぱり怖い
視力・聴力・臭覚
■200m以上の遠距離はよく見えない。しかし、聴力・臭覚、音や匂いに特に敏感
■対策は、鳴り物を鳴らす。
食べ残しは、完全に処分しないとヒグマを誘き寄せる結果となるので特に注意が必要だ。
手足の大きさ
■手足の幅 オス13〜20cm メス10〜15cm
■手足底の最大幅が15cm以上あればオスと断定できる。
食べ物
雑食性で何でも食べる。人間よりも食域は広い。
□植物性の食べ物
早春〜ふきのとう、ザゼンソウ、ミズバショウ、スゲ類
盛夏〜タケノコ、フキ、ヤマウドなどの山菜、チシマニンジン、クロユリなどの根茎も好物
夏-秋〜コケモモ、コクワ、ナナカマド、ハイマツなどの木の実、草の実

□動物性の食べ物
鹿〜斃死した鹿、弱った鹿、時には健康な鹿をも襲う
蟻・蜂は大好物、昆虫やザリガニ、マス・サケ(ダム・堰堤下流での捕獲等でほとんど食べることができなくなった)
共食いもする。斃死体や闘争して倒れた熊を食べる。
・動物性の食べ物を渇望しているときは、異臭のプンプンたる腐った肉をも食べる。ヒグマは自然の清掃者と言われている。
食 害
■牛・馬・羊・ヤギ・豚・鶏から蜂蜜に至る家畜
■ソバ、エンバク、イナキビ、米、トウモロコシ、ビート、スイカ、ニンジン、バレイショ、トマト、カボチャ、豆類、ブドウ、ナシ、リンゴ、スモモなどの果樹
■牛乳やスルメ、魚粕、漬物、墓地を暴いて死体までも食害する。
土葬時代〜土葬した遺体を5人分ほど掘り出し、食ったという事例が幾つか報告されている。
水浴び
■ヒグマは泳ぎの名手。
山上の沼や湖で水浴びをするのが好き。ほてる体熱を冷やすためと言われる。
寿 命
捕獲最高年齢 メス34歳、オス26〜28歳
ヒグマの好む環境
ヒグマは孤独性が強く、特に人に強い警戒心を持ち人を避けて生活している。冷涼な気候を好むため、夏になるに従って山岳地に上がってくる。カールの残雪で体を冷やす。
■夕張・日高の生息数 580〜679頭
行動形態T
山岳地を利用しないヒグマ。全期間を森林地帯で過ごす
行動形態U
森林地帯または森林限界付近で冬眠、山岳地の雪が消えるまで森林地帯で過ごし、7月上旬山岳地に登る。根雪がくる9月末〜10月まで山岳地で過ごす。
1日の行動
人の危害の及ばない地域では昼夜の別なく行動、ヒグマは決して夜行性の獣ではない。
■人と遭遇する頻度の高い地域では、人間の活動する時間以外に行動する。
主に早朝、夜間に行動
休憩場所
■外界から見えない場所〜ヤブの中、立木、岩陰、傾斜地、草地に潜んで休憩
■見とおしの良い場所〜残雪の岩場、沼地、雪解け水、沢地に腹ばいなって休憩
危険なヒグマ
@.人食い熊〜一度人を襲ったヒグマが、続けて襲う
 人を襲う人食い熊は、千頭に一頭いるかいないかの確率だという。北海道のヒグマの生息数は3千頭と言われているから、3頭前後と異例の存在である。
A.手負い熊〜人間に対して敵意を持ち、非常に攻撃的
B.子連れ熊〜出会い頭に注意。母熊は逃げようとするが、小熊は警戒心がなく、逃げないので注意。
※危険な熊情報については、現地の営林署や役場、警察に問い合わせること。
人家侵入事件T
羅臼町 1986.9.16午前零時、冷蔵庫のドアを開け、中の物を食べる。ビンを倒して酒を飲む。大声を出して撃退。侵入から40分後に退散。
人家侵入事件U
南茅部町 1986.10.11午後11時半、犬の餌を食べる。ステレオを大音量にして撃退。10分後に退散。
人家侵入の目的
食べ物目当て。ヒグマは、人の有無を非常に警戒する。必ず窓越しに中を覗き確認する。自分の体の重みで、窓ガラスが壊れる例が多い。

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